十六.手がかりを求めて。

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「……それで、お二人は僕に何か御用だったのでは?」 「あっ、そうでした。実は俺たち、柳さんのお母さん探しを手伝えないかと思いまして……」 「えっ、僕のことを、手伝って下さるのですか……?」  柳さんはとっても驚いているようだった。メガネ越しに見える瞳がきょとんとしている。 「はい、私たちで出来ることがあれば何でもいいので……。あの、良かったら、柳さんのお母さんのお話、聞かせてもらえませんか?」 「……はい。分かりました。それではお言葉に甘えて、よろしくお願いしますね」  柳さんはにっこりと笑うと、母親に関することを話し始めた。 「僕はずっと父子家庭で育ちました。父親に母親のことを聞いても、一切教えてくれませんでした。彼は僕の力を知っていたので、家の中には母親に関する物は一切ありませんでした。すっごく探したんですけど、きれいさっぱり何もありませんでした」
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