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「物の記憶を辿ることが出来なかったんですね。……それで、どうして島を旅することになったんですか?」
「僕が大学三年に上がってすぐの頃ですかね。父と父の友人が話しているのを偶然聞いたんです。僕の母親が、島出身だということをね。あと、昔母親と神社で遊んだような記憶があったので……大きな神社がある島を巡ることにしました。でも、これだけの情報じゃ、見つけるのは難しいですよね」
悲しそうに笑う柳さんを見たら、どうにかして母親を見つけてあげたいと思った。この島にいるのかどうかも分からないけど。
「神社、ですか。俺、柳さんの力のことをまだよく分かっていないんスけど、力を使って神社に尋ねることは出来ないんですか?」
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