十六.手がかりを求めて。

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「僕の力は、物が持っている持ち主の記憶を教えてもらう、というものなのです。建物とか、共有の……例えば旅館で使う湯呑とかは持ち主がいないので、記憶が辿れないんです。きっと、これまで数多くの人が利用しているので、物は誰が誰やら覚えていないのだと思います」 「なるほど……物は持ち主をどのように認識するでしょうか?」  駆は柳さんの力に対して、次々と質問を投げかけている。すごい、さすがは元優等生だ。  私は、質問が出来るほど理解できていないもの。 「そうですね。一番簡単なのは、名前を書かれたら認識すると思いますね。あとはあのネックレス君のように、同じ人に頻繁に使ってもらう、とかですね」
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