十六.手がかりを求めて。

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「なるほど、柳さんの力については粗方理解させてもらったッス。では、次は澄ノ島についての質問なんですけど、昨日観光して、見覚えのある場所などはありましたか?」  気が付くと駆は、どこからかメモ帳とペンを手に持っていた。一体どこに入っていたのだろう。真剣に話を聞き、メモをとろうとする姿はまるで探偵のようだ。  あれ? 私、何の役にも立っていない。 「そうですね……澄ノ島神社は、どこか懐かしい気持ちになりました。それはあの、古き良き彫刻に感銘を受けたのかもしれませんが」 「おお、懐かしいって感じただけでも一歩前進じゃないスか! 柳さん、今日またあの神社に行ってみましょうよ」
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