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仮に、奇跡的にもお母さんのいる島に来られたとして、どうやって母親を見分けることが出来るのか。雲を掴むような話だ。
……きっと、それは柳さんが一番よく分かっていると思う。それでも、ごくわずかな情報に願を託して行動を起こしてしまうほど、お母さんに会いたいのだ。
私のお母さんは、生まれてからずっと私の傍にいる。育ててくれて、愛情を注いでくれている。それが当たり前だと思っていたけど、違っていた。
これがどんなに恵まれていることなのかって、ほたると柳さんに教えてもらったな。
「俺、やっぱり、まずは神社に行ってみるのがいいと思います。 ずっと神社にいる神主さんなら、何か覚えているかもしれません」
「そうですね。まずは行ってみましょうか。……あ、でも、僕はコインランドリーに行くんでした」
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