十六.手がかりを求めて。

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――自転車で田舎道を走り続けて、私たちは澄ノ島神社に到着した。鳥居をくぐり、ゆるやかな石段を上る。  今日も神社は観光客でにぎわっていて、お参りを待つ列が出来ていた。私たちはその列には並ばずに、まずは神主さんの姿を探した。 「あ、あそこにいるのは、奏ちゃんかな?」  奏ちゃんはもくもくと掃き掃除をしていた。奏ちゃんのことはずっと苦手だったけど、ネックレスの記憶を見て考えを改め直した。  無愛想というわけではなくて、ただ感情を表現することが苦手なだけ。不器用だけど、とても優しい女の子だった。  そして、いつもほたるを心配してくれた、かけがえのないほたるの友達。  表面的な部分だけを見て苦手意識を持ってしまっていた自分が恥ずかしい。
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