十六.手がかりを求めて。

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「うーん、名前が書いてあるおもちゃはなさそうだね。まぁ、あるほうが奇跡のようなだけどさ」 「だな。宝くじが当たるんじゃない? ってレベルだよ。たぶん」  そんな奇跡が簡単に起こるわけがない。今私たちがやっていることは、何の意味もないかもしれない。でも、それが無駄な事だとは思わなかった。 「ここがダメなら、また違う可能性を考えて、探せばいいよね」 「うん、俺たちは思いつく限りのことをしていこうぜ」  今日の駆はとても前向きだ。いや、これが本来の駆なんだ。前向きで、頭が良くて、頼りになる。ぐいぐいと皆を引っ張っていくことが出来る。  ほたるは駆のそういうところが好きだったんじゃないかと思う。
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