十七.母親。

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 駆も、ずっと黙っていた。たぶん、私と同じ気持ち。私たちはまだ十数年しか生きていないから、女将に人生を説くようなことは言えない。  しばらく、長い沈黙が続いた。とても重くて、長くて、でもそれを打ち壊す勇気はなかった。 「…………確かに、あなたは間違っていたかもしれません」  沈黙を破って話しを始めたのは、柳さんだった。 「気づくのが遅かったかもしれません。でも、間に合わなかった、とは思いません。だって、ほたるさんは今も生きている。目を覚まそうと、きっと頑張っている。だから母さんも今は……ひたむきに、生きてください。前を向いて、ほたるさんと向き合ってください。いつか、彼女が目を覚ました時に、百パーセントの愛で迎えてあげてください」
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