十八.一週間後。

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 柳さんが東京に帰ってからもう一週間が過ぎようとしている。  彼と出会ってから本当にいろいろなことが起きた。不思議な力に触れ、ほたるの世界を見て、家族というものの深さを知った。  そんな彼との別れはとてもあっさりしたものだった。「じゃあ」と最小限の挨拶をして、颯爽とフェリーに乗り込んでいった。もっと別れを惜しんでほしかったのに。寂しいと思うのは私だけだったのかな。 「はぁ……」  九月下旬の日曜日。柳さんと初めて出会った河原で空を眺める。太陽は少しずつ沈みかけている。  さすがに夕方は半袖だと寒いため薄手のパーカーを羽織って出かけた。  そういえば、柳さんはどうしていつも白いシャツを着ていたのだろう。そんなことすら聞けなかったな。せめて連絡先だけでも聞けばよかった。
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