十八.一週間後。

6/31

222人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
「おかえりなさい、駆」 「ただいま。……って何か変な感じだな」  そんな駆に私がかけた言葉は、とっても短かった。でも、その言葉に私の気持ち全てが込められている。  やっと、私の幼馴染が帰ってきた。神主さんにもらった絵本に影響を受け、世界の舞台でヒーローになることを夢見た少年が、今、隣にいる。  それは誇らしく、嬉しくもあるのだけれど、それと同時にある不安も生まれる。 「ねぇ、もし辛くなったら、ちゃんと私に相談してね」 「もちろん、約束するよ」 「絶対だよ? 駆には私がいるってこと、絶対に忘れないで……って、あの、今のは変な意味じゃないから!」
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

222人が本棚に入れています
本棚に追加