十八.一週間後。

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――旅館に到着すると、いつものように裏口から入って更衣室に行く。  ほたるも同じようにしていたと思うと嬉しい。まねしたのは私の方だけどね。  更衣室にあるロッカーを開けて鏡を見ると、前髪はピンで留めているため、変なクセはついていなかった。  それにしても、今日の更衣室はとても静かだ。皆休憩する暇もないほど忙しいのかな。いつも決まって誰かがいたから、ひとりで着替えるのは少し寂しい。 「あっ、一人じゃなかったね。今は君がいるもんね」  私は首元に光る空色の石に向かって、優しく語りかけた。 「いつかほたるが目覚めるまで、私の傍にいてね。そういう約束なんだ」  小さな石を人差し指で優しく撫でる。ひんやりと冷たい君は、びっくりするほど温かい心を持っていた。
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