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「ありがとう。ほたるちゃんは本当に良い友達を持ったわね。……それに、お兄さんがいることも分かったしね。きっと彼も、ほたるちゃんの味方になってくれると思う」
「そうですね、でも、柳さんはもう東京に帰ってしまったし……」
「あらあら、とっても寂しそうね。やっぱり陽咲ちゃんは彼のことが好きなのかしら?」
柳さんの話が出る度に、心が勝手に飛び跳ねる。自分のものではないみたいに、言うことを聞かない。
おにぎりを食べ終わった後でこの話が出てよかった。じゃないとまた喉を詰まらせてしまう。
「実は……柳さんを一目見たときから何か特別なものを感じていました。でもそれは、今思えば、ほたるの面影を感じていたからなのかなって。どことなくほたるに似ていたから、気になったのかなと思って……」
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