十八.一週間後。

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 目の前の扉がゆっくりと開く。扉の先はとても明るくて、でも眩しくはない。どちらかといえば心がぽかぽかするような、優しい光が私を包みこむ。 「お待ちしていました。さあ、入ってきてくださいね」 「どうして、ここに……」 「それはこのお刺身を一緒に食べながら話しましょうか」  彼は私の代わりにお刺身を乗せたお盆を持って、部屋の中に入ってしまった。  今日もやっぱり白いシャツ。襟元のボタンを少しあけて、そこからみえる鎖骨はやっぱり色っぽい。    くしゃっとした黒髪、細いフレームのメガネ、優しく笑う瞳、黒く焼けた肌。  一週間前と何も変わらないその姿になぜかほっとして、涙がこみ上げる。
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