十八.一週間後。

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「どうして、もっと力を強くしたいと思ったんですか?」  私の問いに対して、柳さんは一端箸を置いて説明してくれた。 「僕の力では、一方的な会話しか出来ません。僕が物に語りかけて、物は僕に必要な情報をくれるだけ。今まではそれで十分だって思っていました。でも、ネックレス君の気持ちを聞いて、考え直したんです。 僕が物と会話を出来るようになったらって。彼らの心の叫びを汲み取り、持ち主に伝えられることが出来たら、彼らは辛い思いをしなくても済むのではないかってね」  柳さんの瞳は、ほたるのネックレスを捉えていた。いろいろな思いを抱えていても、持ち主に伝えられなかった石。柳さんは、そんな彼らを助けたいと思ったのだ。
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