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ああ、やっぱりほたるのお兄さんだな。人だけじゃなくて、物に対しても思いやりがある。
「……この島に住みたいと思ったのは力の事だけではないですけどね。ようやく出会えた母と妹と、家族になりたいと思ったんです。今まで一緒に過ごすことが出来なかった時間を取り戻したい。二人があのような関係になってしまったのは、僕の存在のせいでもあるので。僕が出来ることは、何でもしてあげたいんです」
柳さんは一通り島に来た理由を説明すると、再び箸をとった。おいしそうに刺身を食べるその姿を見て、ちょっと切なくなる。
彼がこの島に戻ってきた理由の中に私はいない。そんなのは当たり前かもしれない。私なんて、ただの観光案内の一人だったのだから。
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