十八.一週間後。

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「柳さん、これ、お返しするッス」 「……いいのですか? 君も大好きだったのでしょう?」 「はい。でも内容はもう暗記しているし、これは柳さんのモノなので。この絵本も持ち主の元に帰ることが出来て喜んでいると思います」  駆が柳さんに差し出したのは、あの絵本だった。神主さんが妹である女将と、その息子である柳さんのために作った、世界に一冊の本。  この本の記憶を私は見たことがないけど、たぶん愛に溢れたものなのだろう。 「それでは、お言葉に甘えて頂きますね。……奇遇にも、僕も宮村くんにこの本を借りたいと思っていたんですよ」 「おお、奇遇ッスね! 何に使おうとしていたんですか?」
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