十九.一年後。

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 柳さんは、あれから叔父である神主さんにお世話になっていて、奏ちゃんと三人で暮らしているらしい。神社にいる時は袴姿で、それがまたよく似合っている。 「いいなぁ、私も柳さんに勉強を教えてもらいたいです」 「僕でよければ、いつでも教えますよ。教えてもらうといえば、僕は宮村くんにサッカーを教えてもらいたいですねぇ」 「いいですね、駆、きっと張り切りますよ。弟にもよくサッカーを教えてくれますし」  駆は再びサッカーを始めて、部活ではレギュラーを勝ち取るまでになった。最初は部内で浮いた存在だったみたいだけど、今は溶け込めているようだ。  よく私や陽太に、部活で起きた楽しい話を聞かせてくれている。
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