十九.一年後。

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「ところで、柳さんは何か用事があったのですか? 今日はお休みをもらったんですよね」 「よくぞ聞いてくれました! 今日はある場所に行って、これを作ってきたんですよ」  柳さんはジーンズのポケットから小さな紙袋を取り出し、こちらに差し出した。 「これは?」 「僕が作ったものです。空野さんに今日渡したくて」  柳さんから小さな紙袋を受け取り、そっと封を開ける。するとそこには、緑色の石がついたヘアピンが入っていた。 「これを、私に?」 「はい。君のそのネックレスとお揃いでしょう? 空野さんにプレゼントするなら、絶対これだって思っていました」
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