十九.一年後。

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「良かった、喜んでくれて。そうそう、この石の名前、知っていますか?」 「えっと、確か……ペリドット、ですかね」 「その通りです。ペリドットは、古代の人々に何て呼ばれていたのか、知っていますか?」 ――分からない、そう答えた私に、柳さんは教えてくれた。そして、こう続けた。 「あなたにぴったりの石ですね」と。  柳さんと河原で別れ、私は再び自転車に乗って病院へと向かう。前髪にはさっそく新しいヘアピンをつけた。  本当はつけるのが勿体ないくらい大切にしたい物。でも、だからこそ、私は毎日でもつけようと思う。  なぜなら、このヘアピンもきっと、いろいろな景色を見てみたいだろうから。
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