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「ははっ」
自分の乾いた笑いが頭の中でこだまする。
絵美里は両足ではさんだぼくの片腕を、両手でギリギリと引っ張りあげた。思わず前のめりになるぼく。年齢の割りには、意外とデカメロンな双子山が間近に迫る。眼福眼福、とちょっぴり卑猥なことを考えたのが運の尽きだった。
くるみ割り器で潰されるくるみが味わう痛み、と表現すべき激痛が肩関節を襲う。必死でもがくも見事に技は決まっている。まるで抜けだせない。まずい。まずいぞ。神経ごとブチッとちぎれてしまうんじゃないか、これ。戦慄のあまり、ぼくはみっともない喚き声を家じゅうに響かせた。
「だれか助けじぇええええええええー!!」
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