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収録は終了したけど、色々考えたわりに現在は頭の中はかなり白いです。
「何で、あんな急に振られて、できたの?」
ロビーに出たら辛そうな声が聞えた。
声の主は当然だけど羽波さん。
「できた、と言えるか分からないけど、やってみるしかなかったから、放送では差し替わってるかも知れないし……」
「そう……」
納得いかないような表情をされたけど本音だから仕方ない。
脱力で気遣いの言葉も浮かばないので。
そんな、微妙な空気の中、マネージャーさんがスタジオから出てきた。
助けが入ったと思ったのですが、
「悪いけど急用入ったから、ここで解散な」
と、去って行った。
多分、あの慌てようだと、上の人絡みのガチ急用。
そうなると、研究生へのケアは後回しなのは仕方ないのかなぁ……。
まぁ、定例としては簡単は感想を述べて必要なら最寄り駅まで付き添ってくれるだけだから、大きな問題なしとしておきましょう。
とりあえず、帰るしかないですね。
「羽波さんはどっちですか?」
「あっち」
「私はこっちですから、ここで、お疲れ様でした」
「お疲れ様」
「この時間だと、夜間診療を捜さないとだめかも知れませんけど、早めに喉治して下さいね、いい声なんですから」
「う、うん」
なんか不思議そうな顔をして頷かれたけど、付き添う体力は残っていないので、会釈をして自分の路線駅方向へ向かった。
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