夢が消えかけるその時に

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「授業には出ていません。その時間は、友達と将来のことを語り合っていたので。」 乾ききった喉からは、強張った掠れ声しか出て来ない。 身体を揺らしそうなくらい、強く鼓動を打っている。 「私、将来なりたいものがあるんです。社長じゃなくて、他の夢が。だから私を後継ぎから外し…」 「時期社長が私の娘だということは、すでに各方面の主要な人間には伝えてしまってある。今更それを変えるなどということはできない。」 息が止まった一瞬の間に、悪寒が全身に広がる。 さっきまで綺麗だと思っていたはずの世界が暗転し、漆黒が私を押しつぶす。 「どうして…」 「今の時期から、お前の時期社長としての地盤を固めておいた方が良いからだ。大丈夫だ、お前は有能だから、ちゃんと社長としてやっていける。」 社長と言う縄は容赦なく私の身体を締め上げる。逃れることはできない。 こんな結末を迎えるのなら、最初から希望を持つんじゃなかった。
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