夢が消えかけるその時に

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思いを口に出すなんて、私らしくない。 自分自身に困惑していると、鋭い声が私に突き刺さった。 「何、その俺らを見下す発言。バカに対する嫌味ですかー?」 「いくら勉強ができるからって、そりゃねーわ。」 「知ってる?コイツ、いつも大学生向けの本読んでるんだよ。ヤな感じだよな。」 敵意と憎悪に満ちた視線を浴びて、息が止まる。 「幸せそうだ」といった私の発言は、「脳内がお花畑だ」という中傷として受け取られてしまったようだ。 違う。私はただ、自分の好きなことを伸び伸びとできる風間くんを、自分の夢を一途に追いかけている風間くんを純粋に羨ましいと思っただけなのに。 誤解だと否定したいけど、声が出てこない。 どうしよう、どうすれば―
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