番外編の番外編 『きっと、ずっと。』

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「分かった。おじちゃんとおばちゃんに話しに行こう。明日美との結婚ば許してもらわんばいかんし。覚悟はしとったつもりやったけど、いざとなると緊張するな……」 あれ?緊張するとか言ってるけど本当かな。 覚悟していたなんて、一体いつからなの。 お母さんもお父さんも、私たちが二人で行くこと分かってた風だし。 だけど立ち上がって身なりを気にしているところを見ると、心落ち着かない様子が窺える。 私もドキドキしてきたけど……。 「友也、大丈夫?私が一緒におるけん平気やろ。私も友也のお嫁さんになりたかけん、ちゃんとお願いするつもり。だけん……」 友也だけじゃなく、私たち二人の大事なことだから。 一緒に私も勝負かけるよ。 友也の襟に手をかけ、少し曲がったところをきれいに直し、そのまま腕を首に回した。 「緊張ばほぐす…………おまじない」 さっきの物足りなさを埋めるように、背伸びをして友也の唇に優しく触れた。 ねえ、リラックスしよう、友也。 私たちの素直な思いを届けよう。 友也が私を優しく抱きしめて、更にキスを深めてきた。 直ぐに主導権を奪われたけど、それを望んだのは私の方。
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