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行為を終え、ふたりで風呂に入りまたベッドに戻る。頬を紅潮させたままの智徳の手を引き、横になる。
「セックスなんて、たいしたことじゃなかったでしょ?」
「そんなことないです。すごい体験でした」
ならんで寝ころんだところでそうちゃかすと、智徳は少しムッとしたような顔でそう答えた。
「昨日までの僕と、今日の僕は全く違うと言ってもいいくらいです」
「んな大げさな」
「本当ですよ。そしてそれはアラシさん、あなたが相手をしてくれたからです」
思わぬ言葉に驚いて目をしばたたかせたが、智徳はボーイの自分相手に大真面目みたいだった。
「見ているだけだった憧れのあなたに会えて、触れることができて、本当に幸せです」
瞳をキラキラと輝かせて智徳が言った言葉に、嵐史は我にかえった。
そうだ、智徳はボーイでありゲイビ男優である『アラシ』が好きなんだ。嵐史にとっては虚像の自分だが、智徳にとっては特別な人。
その夢を、壊してはいけないと思った。
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