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「危ねえ……素が出るところだった」
「えっ?」
「なんでもないです。じゃ、寝ましょうか」
「はい」
「俺、結構甘えたなんで、しばらくぎゅって……くっついてて下さい」
上目遣いですり寄ると、おずおずと腕が伸ばされ、抱き込まれた。智徳の胸はあり得ないくらい高鳴っていて、収まる気配はない。
智徳にとって『アラシ』は、偶像でアイドルとかの存在に近いのだろう。まあ、会いに行ける上にヤれるのだからアイドルとは違うが。
胸の鼓動を聴きながら、そこまでさせる『アラシ』の存在が誇らしいのに、少し複雑になる。こんな思いははじめてだった。
それでも久しぶりに後ろを使ったのもあり、抱き込まれた心地もよくてだんだんと眠気が襲ってくる。
「おやすみなさい……アラシさん」
頭の上から心地よい声が降ってくる頃には、ほとんど夢の中に入っていた。
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