7/111
前へ
/111ページ
次へ
「智徳さーん、ここ、ウ、リ、専だよ」 「わかってはいるのですが……」 「貸切、希望してるんでしょ?」 「え……あ、はい」 「だったら、多少のスキンシップくらいないと、俺も一日一緒になんていられないよ」 「そうですよね……はい」  三回目の来店でやっと智徳のそれを扱いてやると、終始身体を硬くして緊張していたが、やがて息が荒くなり「あっ」という悲壮な声と共に爆ぜた。白濁にまみれた手を拭っていると、智徳は申し訳なさそうにうなだれてしまう。 「……すみません」 「なにいってんの。これが本来俺の仕事なんだけど」  いつまでも赤面している顔にちゅっとキスをした。やはりいちいちびっくりしている。 「智徳さんて、俺より結構年齢が上だと思うけど、かわいいですね」 「かわいい? いえ、アラシさんのほうがずっと素敵です」  それはそうだけれど、そういうんじゃなくてだな、説明しづらいけれど。 「智徳さん」 「は、はいっ」 「これからは貸切にしてもいいよ、俺のこと。もし希望してくれるなら、店にも話つけておくから」 「ほんとうですか? ありがとうございます」
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加