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第一の手紙
その病院に行った日から、僕はもらった薬を飲んで何とか夜眠れるようになっていた。しかし、毎日の慌ただしい仕事に対する違和感というか、漠然とした不安のようなものは消えることはなく、かえって気力が萎えてきたような気がしていた。
二日後、外回りから帰った僕のデスクの上には、万年筆で丁寧に宛名書きされた白い封筒が置いてあった。 差出人の名前はなかったが、このまえ病院の中庭で会った女からの手紙だ、と直感した。
その封筒は厚く膨らんでいて、便箋が何枚も入っているようだったので、そのまま開封せずに持ち帰って、食事やシャワーを済ませてからゆっくりと読み始めた。
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