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数分前に交わした会話。
何とか、依頼を達成した代償は、彼女の怪我。
立つことさえままならないほど深い足の傷。連れ帰っても、これから先、このチームにとって、益になることは少ないだろうと、判断された。
「なあ、教えてくれよ。お前を助ける道と、見捨てる道では何が『違う』んだ?」
リーダーはそう言った。
彼女の『占い』はよく当たる。それを知っていたから。
本当は占いなどではなく、予言であったのだけど、それを言ったところで、誰も信じてはくれないことを彼女は知っていた。
だから、『よく当たる占い』と言っていたのだった。
その『占い』をする余裕などなかったのに、彼女はその言葉に反応してしまう。
虚ろな瞳で、リーダーを見つめ、これからの運命を視たのだった。
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