第1章

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 なんなのっ。  花火大会の様に光の花が乱れ咲いたら、今度は団体が出てきたじゃない。  「きゃー!」  私を欲しがる人がこんなに。  中には人とは程遠いのも混ざってるけど、百もありそうな数で、奪い合いを始めたわ。  うっとり。  してる処じゃない。  だんだん状況のヤバさを感じてきた。  消えろ、と言っても消えてはくれない。  この百何匹化け物。  逃げてしまおう。  道具を入れて来たバッグを引っ張ったら、占い用に点けていたアルコールランプがひっくり返って、炎が広がった。  手書き魔方陣のクロスに燃え移ると、書かれた呪文の炎が化け物たちを巻き込んだ。  しめたっ!  今度は余計な事を口走らずに、心の中で必死に唱えたのよ。  「消えて。消えて。消えて。」  炎が収まった頃には、何事も無かった様に、みんな消えてたわ。  どれだけ念入りに、色々な占い本を読んでも原因が分からなかったのよ。  しばらくしてからよ。判ったのよ。  すべての呪文が東北なまりによって悪魔を呼ぶ呪文に変換されていた事実。  まんず、あずましくねぇ、わやだべ。               おわり
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