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「押さえこまれている俺に銀縁メガネは説明をはじめた。その『髪の毛』はアルなんとかという宇宙生命体で、地球人の頭部に接合し神経索を差し込むことで共生するんだってな。俺の撮った写真には神経索を差し込む穴が写っていたので、写真が報道されると秘密が明らかになってしまう。秘密を守るために俺も宇宙生物と共生する宿主(ホスト)になってもらうと言われた」  俺は化け物に乗っ取られるなんて嫌だと泣き叫んだ。すると銀縁メガネが俺に言うんだ。意識を乗っ取ったりはしない、あくまで共生だ、時々、宇宙生物の活動維持のため身体を貸してもらうことがあるだけだ。まあ、一度共生関係を結ぶと宇宙生物なしでは生命が維持できなくなってしまうけどねと。  どちらにしてもろくなもんじゃない。俺は必死でもがいたが押さえつけられた身体はびくとも動かなかった。俺は銀縁メガネに懇願した、秘密は絶対守るから見逃してくれと。でも銀縁メガネは聞く耳を持たなかった。さわさわと言う音が近づいて来る。そして目の前に茶色のもじゃもじゃしたものが……、俺は必至で叫んだ。どうか助けてくれと。だが声にならなくて……、 というところで目が覚めたんだ」  不条理な考えだけど、俺は佐緒里に起こしてもらってよかったと思っていた。あのまま、夢が続いていたら……、 「なんだか疲れた」  俺は毛布にもぐりこみ、佐緒里に背を向けた。 「ねえ、」  佐緒里が話しかけて来た。 「なんて言ったかしら、その……宇宙生物の名前」  夢の中の話なのに名前ははっきり思い出せた。なぜか、その名前を口に出してはいけないような気がする。だが、そう思った時にはもう口が動いていた。 「確か、アルデバラン星人と言っていた」 「そう……」  背後で佐緒里が立ち上がる気配がした。俺は頭を抱え込むようにして体を丸くする。 「その宇宙生物って、もしかしてこんなのじゃなかった?」  佐緒里の声にうなじの毛が逆立った。俺は毛布の中で身体をさらに縮こませる。  さわさわさわ、音をたてて何かが後ろから近づいて来る。  そして……
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