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「誰か助けて!!」
路地裏に少女の声が響く。
しかし、少女の悲鳴は薄暗い闇に溶け込んでしまう。
少女の背後からゆっくりとアスファルトを踏み鳴らし巨体がせまる。
足から伸びた鋭い爪がアスファルトを豆腐のように切り裂く。
その姿は正に怪物と呼ぶに相応しい。
脅えた少女は震えながら冷たい地面に座り込んでしまう。
脅えて目をつぶる少女に、怪物の口から伸びた二本の牙が、迫ろうとした正にその時、
「待てい!!」
少女の前に一人の男が立っていた。
怪物と同じような異形のもの。その体には白い幾何学模様が描かれている。
「春子LOVEマン!!」
少女が驚きと歓喜の声をあげる。
「ここは俺に任せて早く逃げるんだ」
「ありがとう。春子LOVEマン」
少女が駆け出す。
「おのれぇ。春子LOVEマン」
怪物がいらだたしそうに春子LOVEマンをにらむ。
「いくぞ!!必殺冬子愛してるパンチ!!」
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