クリーニング

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「お待たせ」 渡すものを持って玄関へ戻る。 「これが仕上がってるものです」 「…量、多くない?」 エプロンとシャツとスラックス、だけのはず。 「いつものと、スーツもあるから…って知りませんか?確かに源くんの着るようなのではないなぁって思ってたんだけど」 ビニールに包まれたスーツには見覚えがある。 「ごめん、知ってる…と思う」 俺のじゃないけど。 階段を降りてくる音がするので、「牧野さーん」と声をかけた。 「なんだい?」 「スーツ、白井さんのとこに出しました?」 「ああ、代金は先に渡してるよ」 「そういう問題じゃないです」 出したなら出したと一言欲しいところだ。
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