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それまでは「漏れている」といった表現が適切だった声も、今ではすっかり声として聞こえるようになった。
ーーーそろそろ頃合いだろうか。
"彼女"の息づかいを聞きながら、俺は腰に巻いてあったバスタオルを素早く取り払った。
いつもより固く、逞しい自身が露になった。脈のリズムを忠実に表現するかのように反応している。
枕元の避妊具に手を伸ばし、"彼女"の視線を気にして、左側を向くように体をひねりつつ自らに装着した。
それを"彼女"の秘部にあてがう。
「…大丈夫?」
俺の問いかけに、口元を軽く握った手と手で隠しながら、ゆっくり頷く"彼女"。先ほどよりも、恍惚な表情になっている。
ーーーゆっくり。自らの通る道筋を、それ全体で確かめるように。
俺は"彼女"とひとつになった。
△△△△△
社会人になってもやってしまうとは、想像もしていなかった。
夢精。
パンツの中の不快感が、夢とのギャップをより一層際立たせる。
射精してもなお、夢の中と同様に勃起したままだった。
枕元のスマホを立ち上げ、上司に1時間遅刻する旨のLINEを送った。
シャワーを浴びるべく、俺は気だるい気持ちでバスルームへ向かった。
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