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6月1日
▽▽▽▽▽
目の前には大きめの白いプレートに、
ライス、サラダ、ステーキ、フライドポテトが載っている。
しっかり火の通ったステーキの香りが、無条件にヨダレを促す。それと対照的に、時間を置いて、しなっとなってしまっているポテト。
…実は、揚げたてのものより、こういう方が好きだりする…。
その傍らには、カップに入ったスープがある。透き通ったコンソメスープ。
見ただけで、こくの深い味わいが楽しめそうなのがわかる。
箸箱に入れてあるナイフとフォークを手に取る。
迷わずステーキにナイフを入れた。
柔らかすぎず、固すぎず。しかし、断片は綺麗に切れた。
程よい赤身のバランスと、どんどん溢れてくる透明な肉汁…。
切りとった一切れを口に運ぶ。
(!?)
………美味い。
例えようがないほど、美味い。
数えるほどしか咀嚼してないが、体がその美味い肉を欲するのか、すぐに飲み込んでしまった。
たまらず、次の一切れを食べる。一口目と変わらず、美味い。
三口目、四口目………
………一品だけをひたすら食べてしまったことは、おそらく生まれて初めてだろう。
肉がなくなってしまった。
しかし、肉を食べ終えてしまった寂しさよりも、先ほどまで、あんな最高な肉を食べていたことへの満足感に満たされている。
水を一口飲んでから、俺はポテトにフォークを刺した。
△△△△△
ーーー目が覚めたときには、今まで体験したことのないくらいの空腹感を感じていた。
「フフッ」
そして、目覚め直後から、こんなにヨダレが出るのに、自然と笑い声が漏れてしまった。
今日の昼飯は絶対にステーキを食べることが確定された。
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