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呟くと、目頭が熱くなった。 ずっと元サヤに収まるのが美優にとっては一番いいと思っていた。そして悠里も陵介が望む答えを口にして、相沢も。 悠里の元へ行った。 最良だと思っていた結末だ。 けれどほんの少しだけ。 自分を選んでくれたらいいと思ってしまっていたのも事実で。 じわりと緩んだ涙腺に歩けなくなって、目の上を手で覆って、立ち止まる。 自業自得だ。 悠里と会ってそれでも陵介が好きだから彼女のところへは行かないと相沢が言えば、まるごと全部、自分のものになると思った。 相沢透という人間の、全部が欲しかった。 相沢の幸せを願うと言いながら、そんなことを思っていた。 だから、自分には泣く資格もない。 涙が溢れそうになるのをグッとこらえて、一歩を踏み出す。 途中何度か人にぶつかって、行く宛もないまま、歩く。
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