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◇◇◇◇ 久しぶりに帰ってきた実家の前でタクシーを降りる。 眠ったままの沙耶香を抱き抱えて、階段を登る。 三段上がった先の、玄関の扉。 さすがにこの状態では開けられないので、インターフォンを押す。 しばらく間があって、声が返る代わりに玄関の扉が開いた。 「陵くんが帰ってくるの、珍し……沙耶ちゃん寝ちゃったの?」 モニターで陵介の姿を確認したからだろう、母親の紗英は陵介の顔を見て、それから腕の中に視線を落として苦笑いした。 「そーだよ…部屋に置いてくるから」 そのまま入れるようにと紗英が大きく開けてくれた扉の向こうに、靴を脱ぎ階段を登る。 沙耶香の部屋は2階にある。
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