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あのあと。 強引に連れていかれた行きつけのバーで、沙耶香にしては珍しく焼酎を呑むなと思っていたら、散々説教のような、愚痴のような言葉の羅列を並べ立て早々に潰れてしまった。 「呑みたかっただけかよ…ったく」 眠る横顔に、小さく悪態をつくと答えるように沙耶香がむにゃむにゃと寝言を話した。 「大丈夫よ…陵ちゃんは…絶対」 「……ばぁか。人の心配ばっかしてんなよ」 起きていたらそっくりそのまま返されそうだが、今はただ沙耶香の気持ちが嬉しかった。 再びすぅすぅと寝息を立て始めた姉を見て、陵介は静かに部屋を出た。 「陵くん、ケーキあるのよ。…一緒に食べない?」 「食う」 階下へ向かう途中、リビングから顔を出した紗英の誘惑に負けて陵介は即答した。
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