エピローグ

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「…そうだったんですね」 課長らしい理由に笑みを溢すと、彼は驚いたように目を見張った。 「お前…いい顔するようになったな」 「…大事な人が出来たんです」 気恥ずかしさはあったが、陵介のことを想うと自然と頬が緩んだ。 「言うなぁ。噂のりょうちゃんか?」 ちゃんと付き合うようになってから、何度かランチを一緒にとった。 それを女子職員に目撃されてから、男同士だと言うのに何故か署内で一時噂になったらしい。 不思議がっている俺に、加藤さんは「そんな顔してれば仕方ないね」と苦く笑うばかりだったのだが。 どうやら課長の耳にまで届いていたようだ。 「そんなに噂になってますか?」 「奥さんに逃げられた相沢が自棄になったってな」
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