気づき

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「その、俺さ...今、とても好きな人がいて、その人はいつも気を使っていて友達想いで家族想いで...実際に俺もそいつに何回も救われているんだ... そして、そんな俺を何度も救ってくれて俺が今、一番好きな人...それは兄貴なんだよ」 そして、また少しの沈黙が流れたあとにやっと状況が理解できたのか鈴谷が急に慌てだして、びっくりしたのか、それとも照れているのか顔を真っ赤にさせている。 「ま...愛?僕たち、兄弟でそんでもって男同士で...」 「そんなのわかってんだよ!とっくに...だから、この気持ちを伝えてしまおうかも迷ってたんだ。だけどもう、耐えきれそうになくて、ずっと悩みまくってて、とても不安で...」 かぶせるように強い口調で答えた愛彦は徐々に口調は弱くなり次第に涙を流していた。そんな姿を見て、鈴谷は自然に愛彦を抱きとめていた。
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