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数日後
見かけた君は
笑っていたけれど
どこかぎこちなくて
眼が離せなくて
見つめ続ける僕
そんな僕に気付いた君は
訝しげに見返し
近付いてきたね
『どうして泣きそうな顔してんの』
頭で考えるよりも先に
溢れ落ちてた言葉
突然の問いかけに
戸惑う君
途方もなく
長く感じる空白の時間の先に
落とされた声音
『わたしは泣かないわよ。
空が代わりに泣いてくれるもの』
その音は
突然降り出した雨音に
掻き消されることなく
僕の心に染み込んだ
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