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それは7日前に突然起こった、第3次世界大戦によりばらまかれた放射能や、細菌兵器などの毒物から逃げる為である。
世界大戦は、参加した国々が保有していた核兵器、細菌兵器、毒ガス兵器などの全てを敵対する国や者達に使用し、4日前に終わった。
あとに残ったのは、戦争が始まった途端に自分と家族用に造られた核シェルターに逃げ込んだ、政治、経済、宗教の指導者達とその家族、それに、撃ち込まれた兵器の直撃を免れた、大勢の国民と信者達である。
生き残った者達は、政治家や彼らを指導していた宗教指導者達に助けを求めた。
しかし助けを求められた者達は、約束の地に旅立った後であったり、逃げ出す準備中であったりして、助けを求める者達を助けるどころか、自分達が逃げる事しか考えていない。
安全な約束の場所とは、地表から1000メートル地下に造られた、老人が横たわるベッドがある部屋を中心として、半径200キロ、深さ1000メートルから5000メートルの間に造られた、広大な施設通称エリアE。
そのエリアEから更に4000メートル下の地下に造られた、巨大な地下空間通称エリアHの事である。
地下9000メートルに造られたエリアHに続く数百の入り口の前には、国民を信者を部下を見捨てた大勢の者達が群がり、我先に中に入ろうともみ合っていた。
入り口では武器の持ち込みを禁ずる声がスピーカーから流れ、警告を無視して持ち込もうとする者達の頭を、レーザー光線が射抜いている。
政治家の宗教指導者の金持ちの私兵達は、銃や刃物を捨て、その肉体を持って自分達の飼い主とその家族をガードし、入り口からエリアHに向けて歩き出す。
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