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「聞いてはいないが、用意するのが当たり前だろ?」
「何故?
今この部屋の中には3万人の人間がいる。
お前達が踏みしめている大地は、60万人の人間が自給自足で暮らして行けるだけの恵みが得られる、栄養たっぷりの土だ。
持参してきたであろう食料を食いつなぎ、最初の恵みの日を待てば良いのではないかな」
「Mが用意していると思っていたから食料は持参していない、融通してもらえないか?」
「断る! 次の質問者は? あなただ」
ライトに照らされた次の男が、カバンを高々と抱え上げ話しを始めた。
「このカバンの中に高額のドル紙幣が詰まっている。
これで必要な物を売ってもらえないか?」
「ハハハハ、ドル紙幣だって? そんな物ただの紙切れだろ。
Mがお前達が持参してきた微々たる金や貴金属に目がくらむ、貧乏人だと思っているのか?
この巨大な施設を私費で建造するだけの金を持っていた、8日前までは世界No.1の金持ちだぞ。
質問は終わりだ!
Mからの伝言を言う。
お前達がここで自給自足を行うのであれば、それに必要な太陽光や水は提供する。
しかし、それを行わないのであれば、無駄になるエネルギーは提供しない」
モニターから男の姿が消えると共に、部屋を照らしていた明かりも消え、巨大な空間は闇に包まれる。
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