第1章

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 女子高に通う2年生の水鈴は、ある時1年のひわまりと出会う。ひまわりは赤点のテストをビリビリに破き、教室の窓から投げ捨てるような破天荒な性格である。  一方、水鈴はその破られたテストを綺麗な花吹雪だと云った感受性の強い性格で、未だに昔の彼氏からもらったアクアマリンの指輪をつけていた。  ひまわりとつるむようになった水鈴は、初めて合コンに参加する。  そこで、付属高校のぶっきらぼうな津堂と知り合う。  ひまわりは水鈴に津堂を紹介する。ふたりともどことなく感性が似ているといった理由だ。 初めは乗り気ではなかったが、水鈴は路上でギターを弾く津堂の姿勢に魅かれるようになるが、別れた彼氏のことを忘れられずにいる。  水鈴の友人、唯がつきあっていた社会人と別れ、ひまわりの伝で他校に新しい彼氏をつくり、乗り換えたということで水鈴は激昂する。 ある時、テスト期間になり、勉強した内容をテスト後には忘れる、といったひまわりに“次に新しいことを覚えるのは楽しい”と水鈴は諭す。  しかしそれは恋愛においても同じだとひまわりの反撃に遭い、いつまでも過去に執着しているという理由で水鈴のアクアマリンの指輪を教室の窓から投げ捨てる。  それを機に、水鈴は津堂のことを強く意識するようになる。津堂とふたりで一緒にいるところに元カレと出くわしても、不思議と胸の痛まない自分に気づくのであった。  路上でギターの弾き語りをしている津堂の元へ足しげく通うようになった水鈴に、ギターの中に忍ばせたアクアマリンの指輪を彼はプレゼントする。  新しく生まれ変わった宝石(いし)だと水鈴は思いを馳せ、歓びの涙を落とすのであった。
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