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「やあ、こんばんは。勿論、構わないよ。ついさっき君の可愛い妹達から、ラブコールを貰った所だし」
「姉さんからじゃなくて、申し訳ないわね」
「それは気にしてない。それで? 用件は?」
早速電話してきた用向きを尋ねてみた秀明だったが、美恵の話を聞いて意外そうな顔になり、次いで面白そうに感想を述べた。
「……それはそれは。社長の仏頂面が、目に見える様だ」
「一応、信用はしてるわ」
「一応、ね。君も正直だな。用件は分かった。こちらに任せてくれ」
「宜しく」
その会話を終わらせるなり、秀明はスケジュール帳を取り出して、日程を確認し始めた。
「さて、年末だからな。どこか空いているか? まあ、詰まってたら空ければ良いだけの話だが」
そして該当ページの一部に目を留めて、不気味な笑みを零す。
「……そう言えば、あれの始末もあったな。この際、纏めて済ませるか」
良くも悪くも思い立ったら即実行の秀明は、素早く頭の中で組み上げた物騒な計画に悪友達を引きずり込むべく、すぐに文章を打ち込んでメールを一括送信した。
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