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その口調に危険な物を察知した美恵は、冷や汗を流しながら慌てて電話を終わらせた。
「一般論よ、一般論。電話越しに凄まないでよね。それじゃあ」
そして相手を意向を無視して一方的に通話を終わらせた美恵だったが、秀明がかけ直してくる事は無く、沈黙している自身の携帯電話を見下ろしながら、安堵の溜め息を漏らした。
「うっわ。電話越しに冷気感じるって、本当にただ者じゃ無いわ」
半ば呆れながら感心した台詞を口にした美恵は、思わず今現在その人物の標的になっている、姉の部屋の方に身体を向けた。
「……色々頑張ってね、姉さん」
そんな諦めを含んだ慰めにもならない言葉を、直接美子が耳にする事は無かった。
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