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天魔島
A 列車を爆破する
B 学校で銃乱射する
モニターに問題が表示されている。
暗い部屋に閉じ込められた桝柿はブルブル震えていた。
中華街で篠田由紀を見つけた桝柿は後を追った。
マリンタワーの前でチーマーたちに囲まれ、ワンボックスカーに乗せられた。
連れてこられたのは、横浜の沖合にある天魔島っていう無人島だ。
大昔、源平合戦が繰り広げられた島だ。
桝柿がいるのは廃墟を改造した、基地だった。
この部屋はカラオケボックスに似ていた。
監視モニターに内線電話、マイクやデンモクもある。
「ホワイト族を皆殺しにする」
ここに来る前、車内でチーマーの1人が言っていた。ブラック企業に雇用され、白かった奴も黒くなってしまった。
黒いバンダナをしている小野寺って奴は法政大学出身らしい。
「キャハハハ(*≧∀≦*)、おっさん?助かりたかったらさ、早いとこ問題に答えてよ?」
篠田由紀がモニター越しに、上から目線で言った。彼女もブラック族の仲間だったのだ。
カウントダウンタイマーが表示される。制限時間は30分だ。ピコンピコンとカラータイマーみたいな音が鳴り出す。
「早くしないとドッカーンだよ?(*≧∀≦*)ミンチになりたくなかったら、早く選びなよ?」
由紀はこの状況を楽しんでいるのか、キャハキャハ笑った。
また、湯河原の別荘でまったりしたい。正月はグアムに行くのだ。こんな、下等動物たちのいいなりになるのは癪だが、何より自分の命が優先だ。
ホワイト族が生き残る為だ、多少の犠牲はやむを得ない!
「早くしろよ!クソガキ!桝柿!」
モニターに信じられない光景が映し出された。
部下の富田が、夏海に拳銃を突きつけていた。
夏海はどことなく黒木メイサに似ている。
桝柿の愛人だ。下膨れの女房など蜂の巣になろうが構わないが、夏海を失うことだけは耐えられなかった。
「夏海!!」
「このアマの死に顔みたいか?アァッ!?」
富田め、従順なゴリラだと思っていたが、勘違いだったようだ。鹿嶋にある秘密基地の摘発に失敗し、ブラック族に寝返ったか?
桝柿は、Bを押した。
「列車は不特定多数を殺すことになる、ホワイト族を巻き込む恐れがあるからな?殺すのは子供だけにしてくれよ?教師はホワイト族だからな?」
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