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雑食と草食
日向隼人は地下水路で2体のゾンビの死体を発見した。ゾンビの顔は焼けただれていた。
「こいつら、五右衛門と小六じゃないか!」
隼人は叫んだ。変わり果ててはいるが、死体は怪盗コンビの石川五右衛門と蜂須賀小六の2人だった。ダブってゴメンね?
「犯行には爆弾が使われたようです」
鑑識係の栗栖が言った。
「栗栖くんか、バイオハザードに出てたよね?」
「僕、ゲーム全然やらないから分からないです」
「バイオくらいやれよ。かゆうま知らない?」
知る人ぞ知る、バイオの小ネタだ。
「ゲームだからって人を殺すのはいけませんよ?」
「ゾンビは殺すものなの」
「ゾンビにだって心はあるでしょ?」
排水路を辿ると、銀の扉が見えてきた。さらに、ステンレス製のレバーが見えた。
日向はヘッドランプでトンネルを照らした。
「あっ」
栗栖が指差した先には、ボタンがたくさん並んでいる。栗栖は化学に詳しい。ボタンをポンポン押した。そして、レバーを引いた。
ウィーンというモーター音が聞こえた。
扉のロックが解除された。扉の中はエレベーターになっていた。ウィーンと、不気味な音を立てながらゆっくりと籠が上昇する。
日向はホルスターからベレッタ拳銃を抜き、安全装置を解除させた。
エレベーターを降りると、窓がなく換気ダクトだけのついた作業場に着いた。
いろいろな部品が散らばっていた。
「銃でも造っていたようだな?」と、日向が言った。川から入り込んだのか、蟹が這い回っていた。
そのとき、扉の開く音が聞こえた。左腕に蜘蛛のタトゥーを入れた巨漢が現れた。
グリフォンにいた奴だ。
日向はベレッタで応戦する。しかし、巨漢は凄まじいスピードで回避した。
「野郎!」
巨漢がUZIサブマシンガンを向けた。
殺られる!そう、思ったときだ、床が自動的に開き巨漢がブラックホールの中に落ちていった。
栗栖が巨漢の背後にあるパネルを操作したのだった。難しい関数が並んでいた。
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