胡蝶蘭（はな）と薔薇（とげ）

マイナビ女子オープン

名合蘭、大空つばさ、礎たつ、葵みどりはYouTubeのマイナビ女子オープンで、インタビューに京友禅をきる飛角あゆみの声がふるえていた。

「葵みどりが週刊誌のグラビアを水着でかざったときは、勃起中の男子に緊張（びっくり）した」

「礎たつは地区大会決勝で完全試合を達成したが、甲子園出場をきめるプレッシャーから緊張（がちがち）になり全打席凡打した」

「大空つばさから将棋の格言を、急戦は居玉で攻めろ攻めろ緊張（もやもや）がなくなっても攻めろ」

「マイナビ女子オープンの初戦は残念な結果におわりましたが、胡蝶蘭の花言葉で幸せはきます」
タイトルを初挑戦している飛角あゆみに、名合蘭は『いけばな』の胡蝶蘭をおくった。

横歩取りの超急戦で飛角あゆみは二戦目を完勝し、三戦目も居飛車の急戦で勝利し、四戦目も振り飛車の急戦で勝利し、マイナビ女子オープンが主催するタイトルを飛角あゆみは女王から奪取した。世代交代で新女王となる飛角あゆみの登場に仁王剛が祝勝してくれた。

「胡蝶蘭をありがとう。花が咲いてる胡蝶蘭だから、タイトル戦で負けずに女王を獲得した」
華がある名合蘭の手を握りしめ、女王となった飛角あゆみは恋（ど）き愛（ど）きで帰った。