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本当に自分の鈍さが嫌になる。
何度も何度も嫌になってきたけれども、今回は比べ物にならない位に馬鹿な失態だ。
岬先生がこの写真を複写出来たのは、あの職員室での時間しか考えられない。
岬先生は私が先にコーヒーを買いに行った隙に、あの写真をコピーしていたんだ―…
じゃあ、
深見さんは?
もしかして、深見さんは―…
そこまで思うと、小さなメモ紙が封筒に残っていることに気付いた。
〝椎原先生のクラスの女子から没収した物、ちゃんと本人に返してあげましたか?とてもとても大切な物みたいですからね”
そんな言葉が書かれていた。
もう三か月も前の事なのに、どうして今頃この話を持ち出してきたのか、
考えられる理由は私には一つしかなかった。
― 岬先生が深見さんにこの写真のコピーを渡した ―
そうすれば、辻褄があってしまう。
この写真を見て、深見さんは私と悠馬の関係を調べ始めて、あんな事まで―…
「ふ……ふふ……」
笑いたくなる。
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